内緒のポーズをする男性

探偵業の業務その3

労働

日本の探偵業における待遇等は、労働法に規定する使用者・事業主にあたる探偵業を営む代表者、労働法に規定する労働者であるかで変わってくる。

労働法に探偵業を適用除外とする規定がないことから、労働契約を締結し、賃金の支払いを受けて業務に従事する者は労働者であり、使用者・事業主は労働法で規定される給与・休日・福利厚生を最低限保証しなければならない。また、女性の雇用も増加傾向にあり、男女共同参画社会基本法その他関係法令に基づき、男性同様の待遇等を受け、業務に従事している。

また、探偵業法11条及び探偵業法等の解釈運用基準第11に基づき、探偵業務に従事する労働者を雇い入れた探偵業者は義務の履行を担保するために教育計画書を作成し、同計画書に従い、探偵業法、個人情報保護法、関係法令、調査方法、資料、情報の取扱い方法等の教育を実施し、教育実施記録簿に記録をしなければならない。

調査料金

日本において、探偵業者が行う調査の料金は、探偵業界として料金体系を統一することが独占禁止法2条6項に規定する「不当な取引制限」にあたるため、業界団体が目安の料金表示、料金について会員に指導することはできない。探偵業者それぞれにおいて料金基準を設け、調査の実情に合った見積りを行う。見積り金額と請求金額に差異がある場合、不当景品類及び不当表示防止法4条(不当な表示の禁止)違反となり、6条(措置命令)に基づき、都道府県知事や内閣総理大臣の委任を受けた消費者庁長官により措置命令を受けるほか、探偵業法8条(重要事項の説明)及び13条(立入検査)に基づき、公安委員会による立入検査が行われる。但し、依頼者より追加調査の再依頼を受任したときは、この限りではない。

金銭の支払い時期及び方法等は探偵業法8条(重要事項説明)に基づき、調査内容、調査方法、調査料金、調査期間、契約の解除等を依頼者へ書面を交付して説明しなければならない。

また、特定商取引法に基づき、訪問販売により契約の締結について勧誘し契約を締結した場合、契約の申込みの撤回又は契約の解除を行うことができる。但し、8日を経過した場合においては、この限りでない。訪問販売に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、不実のことを告げる行為、違約金の支払い請求をしてはならない。尚、探偵業者の営業所や依頼者からの要請により依頼者が居宅する場所において契約を締結した場合、特定商取引法は適用除外となる。

高額な解約金の請求、依頼者の利益を一方的に害するものは、消費者契約法9条及び10条違反により無効の差止請求が可能。

行政処分

探偵の業務の適正に関する法律13条(立入検査)に基づき、各都道府県の警察では定期的な立入検査で、法令で定める帳簿、書類その他物件を検査をすることができる。同法14条(指示)では探偵業法その他法令に違反した場合において、当該探偵業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。同法15条に基づき、都道府県警察では行政処分(営業停止、営業廃止)を受けた探偵業者の名称をホームページ上で公表している。これにより、悪質な探偵業者の排除と探偵業者の適正化を図っている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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